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掌篇小説の目次

054(****/**/**)朝の肉片(*枚)
053(****/**/**)永遠の一瞬(*枚)
052(****/**/**)シンクロニシティ(枚)
051(2005/04/29)鍵隠し The Key Concealed(5枚)
050(2004/08/31)囮ボット The Decoybot(1枚)
049(2003/06/10)そして俺はいなくなった And, I Was Gone(1枚)
048(2004/06/13)普通の男 The Ordinary Man(1枚)
047(2004/06/13)ペロが死んだ Pelo Was Dead(3枚)
046(2004/06/13)11月のドライアイ November Dry Eye(4枚)
045(2003/06/10)ショートショートの神様 Got Of ShortShort(7枚)
044(2003/04/19)人生中毒 HumanLife Holic(6枚)
043(2003/04/19)小説 The Novel(2枚)
042(2003/04/19)寝坊の春 Spring Brings Over Sleep(2枚)
041(2003/02/12)約束 The Rendezvous(2枚)
040(2003/03/31)闘いは愛~ボブVSサップ・因縁の頂上対決 War Is Love(4枚)
039(2003/02/28)偽者のニジンスキー Nijinsky Posing As Judge Nijinsky(1枚)
038(2003/02/24)ぐしょ濡れマ×コ Dripping Wet There(1枚)
037(2003/02/23)徒然千枚
I Wrote The Words Enough To Covery 1000 Pages
Of Manuscript Paper To Pass The Time(8枚)
036(2003/02/12)超ひも男・ロン Metastrings Mistress(3枚)
035(2003/01/03)隠し小説(?枚)
034(2003/01/03)お正月(7枚)
033(2002/12/28)独面太郎(5枚)
032(2002/12/07)要約すると The Summing Up(12枚)
031(2002/12/05)切腹マシーン Automatic Samurai Suicide(2枚)
030(2002/11/23)罰血(2枚)
029(2002/11/23)老い Senescence(1枚)
028(2002/11/16)ゾンビ伝説(2枚)
027(2002/10/30)400枚のショートショート巨編
Splendid Shortshort Over 400 Pages(4枚)
026(2002/10/27)U.O(1枚)
025(2002/10/25)村上春樹(4枚)
024(2002/10/24)実は僕は、このホームページを作った直後に死んでいます。(1枚)
023(2002/10/22)ロボット博士(7枚)
022(2002/10/19)炎を飼う男・良純(8枚)
021(2002/10/18)テレビの力(4枚)
020(2002/07/22)好々爺泣(8枚)
019(2002/07/10)ハンサム(3枚)
018(2001/09/15)『ああ無情』を読めなかった夏休み(10枚)
017(2002/07/06)民放女子アナウンサーの奇妙な体験告白(4枚)
016(2002/04/16)呵責 Bad Guilty Conscience(7枚)
015(2002/04/06)俺が煙草を教えた女
A Lady Teached Smoking By Me When The Steady Days Ago
014(2001/10/04)やばいよね
013(****/**/**)ジンホンニ(*枚)
012(****/**/**)ライカンスロープ(*枚)
011(****/**/**)身近な光景(*枚)
010(****/**/**)永遠の廊下(*枚)
009(****/**/**)不意の徒競走(*枚)
008(****/**/**)倶知安駅にて(*枚)
007(****/**/**)タイムマシン(*枚)
006(****/**/**)真実(*枚)
005(****/**/**)事件(*枚)
004(****/**/**)未来(*枚)
003(****/**/**)中毒(*枚)
002(****/**/**)一本のさみしがりやの木(*枚)
001(****/**/**)三匹の猫(*枚)

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2007年05月03日 掌篇小説 トラックバック(0) コメント(2)

鍵隠し(The Key Cocealed)

 ついこないだまでは日暮れともなるとまだまだ暖房が恋しくなることも少なくなかったというのに、梅雨を前にした4月末の時期にしては気の早い夏の到来を思わせるかのようなカンカン照りの一日だった。
 夕方になってもジメジメと湿気を帯びたままの外気を避け、半年ぶりに冷房を効かせた寝室の布団にふたりで横になってそれぞれ、彼女は昼間に出かけ自分で買って来た新刊のレディコミ雑誌を、僕は先日遠出してようやく手に入れた人気漫画新刊の豪華版を読んでいたところ突然リビングから「チャリン!」という妙な音が鳴り響いた。
 何だろうと見に行ってみると、冷蔵庫のドアに掛けてあった玄関の鍵束が、吸盤式の壁掛けクリップごと床に落ちていた。
 クリップを定位置に戻そうとした彼女は、鍵束と一緒に掛けてあったはずの自転車のカギがないことに気づく。
「シンちゃん、自転車のカギがないよ」
「昼間出掛けて帰ってきた時、カギは外した?」
「どうだろう?」
 そういって彼女は家の前に泊めてある自転車を確認するため玄関に向かった。
「あ!」
「あったの?」
「自転車のカギはないけど、玄関のカギが開いたままだった」
「そっか。まあ、気づいてよかった。最近、近所に強盗が出るっていうから」
 家の前に出て自転車を見ると、カギは付いていなかった。念のため玄関前の地面を探してみても落ちてはいなかった。
「不思議なこともあるもんだね。カギが落ちた音で様子を見に行ったら、玄関のカギをかけ忘れてるなんて」
「でも自転車のカギが見つからないわけだけど」
「どこ行っちゃったのかな」
 それから彼女の衣服のポケットの中やバッグの中や部屋中の床も調べてみたけれど、いっこうに見つからない。
「すぐ出掛けるわけじゃないし、また後にしようよ。探すのやめた途端に見つかることもあるって歌われてもいるわけだし」
「そうだね」
 いったん諦めたところで急にお腹が空いた彼女は焼きそばを作り、食べ始めた。
「これだけ探して見つからないなんて、まるで神隠しだ」
なんて言いながら僕は本の続きを読もうと寝室に戻りかけたが、そこで下らないダジャレを思いついたので、キッチンに戻り彼女に呼びかけた。
「カギだけに『鍵隠し』だね」
「オヤジギャグだよ」
 彼女が苦笑を浮かべながら言うのを聞きながら僕は、何気なくキッチンの床に目をやってみて驚いた。あれほど念入りに探したはずのキッチンの床に、自転車のカギがあったのだ。色合いの似たキッチンマットが保護色になって見失っていたらしい。 
 無事にカギを見つけて再び布団に戻ったところでおもむろに彼女は言った。
「そういえば今日、お父さんの墓前のお水をかえたの」
「それじゃ、義父さんがカギの掛け忘れを知らせてくれたのかもね」
「そうかもね」
「そうか、なるほど」
「どうしたの?」
「義父さんはユーモアを好みSFとミステリに親しむ人柄だったじゃないか」
「そうだけど。関係あるの?」
「大有りさ。鍵だけに『鍵隠し』ってユーモアではあるけど、ジャンルとしてはまあ、オヤジギャグなわけだよ」
「そうね。それで?」
「しかし、このギャグを思いつかなかったら、まだ鍵は見つかっていなかっただろう。言い換えればそれは、この言葉を思いつかない限り鍵を見つけることはできなかったということだ」
「そんなこと、あるかな?」
「それがね、SFやミステリの世界ではよくある話なんだよ。だからやっぱりこれは、義父さんの仕掛けだったのさ。鍵だけに『鍵隠し』。それがキーワードだったんだよ。まさに鍵だけにね」(了)

2005年04月29日 掌篇小説 トラックバック(0) コメント(0)

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